朝から上司と同僚と3人で車で出張。
 昼前までは出身大学の某施設で納品場所の下見。機材の設置場所の大きさをメジャーで測って記録したり、架台を用意する必要があるかなどを確認するのが目的。
 大学へ行くのは15年ぶりほどになる。食堂などはほとんど変わっていなかったけど、いくつかの建物が10階以上のビルに建て変えられていた。昔はせいぜい4階建てだった。
 今回の目的地は、かつての研究室と同じ建物の同じ階の一室だった。英大文字のEの形をした建物で、かつての研究室はEの字の真ん中の横棒の付け根辺りにあり、今日の下見場所は上の横棒の真ん中辺りにあった。
 この建物も敷地はそのまま建屋を高層に建て替え中で、今日の下見場所も引越ししてまもなかったらしい。ちなみに建て替えが進んでいたのはEの上の横棒部分だけで、昔の研究室のあたりはあいかわらずのオンボロさであった。

 午後からは今度は出身大学院のある大学へ。こちらは継続中の案件の様子うかがいが目的。この仕事は装置の一部だけがこちらの担当なので、装置全体はお客さん自身が構築していくことになっている。装置全体を組み上げるには時間をかけてお客さんと協力して進めていくことになる。
 前回の訪問から少し時間が経っていたし、次の段階に必要な部材が入荷したりもしたので、午前の下見のついでに回り道して寄ることになった。さらにお客さんと同じ


 夕方から会社の会議スペースで、今週で退職する社員の送別会。いちおう同じ部署の社員なので、自分もささやかなお手伝い。注文してあった寿司を受け取りに行ったり、その帰りにコンビニによってケチャップを買い足したり。
 今回退職する社員は1年と少し前に鳴り物入りで入射してきたハイスペック人材だったのだが、懸念していた通り定着することはできずに転職することになった。もともと研究機関や外資にいた人物なので、田舎の中小の製造業では持て余すのは目に見えていた。個人的には早ければ半年で辞めるかもしれないと思っていたので、予想よりは持ったと言える。
 能力は低くない人ではあるが、やはりメンタリティや慣習や社員のレベルの点でこの会社とは合わなかったようだ。また、何人かの(昭和的価値観をもつ)社員には彼のアグレッシブさやある種の放埓さが我慢ならなかったようだが、自分は特に気にはならなかったし、どちらかというと彼の不満に共感を感じていた。もっとも彼の話は文句や自慢話が多かったので積極的に話かけることも少なかったけど。
 転職先は昔の上司の引き合いで、小規模ながら世界展開している海外企業に行くらしい。来週からさっそく現地でマネジャー研修期間に入るのだとか。かなり期待しているらしく、退職の挨拶のときにも次の転職先の話ばかりしていた。(このため「こういう場では、退職する会社へのお礼とかを言うべきだ!」と一部の社員の不興を買っていた。)