出社。
 昨日のメールで指示された資料を作り始めた。多少足りないデータがあったので改めて測定しようとしたら、ヘンテコなデータしか出ない。
 センサを交換してみたり試料を換えてみたりしたが、結局はセンサのホルダの接触不良が原因だったらしい。おかげで今日のうちに必要なデータは揃わなかった。
 このところ上司の機嫌はさほど悪くないが、意味不明な命令に悩まされている。率直に言って明日にも会社を辞めたくなるほどのストレスが溜まっている。毎晩、明日の朝に出勤できるだろうかと不安になる。
 今回はちょっと重症で、会社どうとかいうだけでなく、技術者もやめて引きこもってしまいたい。ちょっと前に次の職が決まったからと嘘をついてまで辞めていった社員もこんな気分だったのだろうか?

 こんなとき、以前なら同僚や後輩に愚痴をこぼしたりしていくばくかガス抜きをさせてもらっていたのだけど、彼らの迷惑を考えて近頃は遠慮していた。
 なのだけど、今日は上記の理由で遅くまで会社に残ることになったため、久々に不満が暴発してしまった。申し訳なかった>巻き込んでしまったお二人。
 まあでも、彼らのおかげで、周りから見ても上司の言動に問題があるらしいことが分かって少し気は楽になった。実は上司は正しくて自分の考え方が異常なのかも知れないと不安だった。彼らが気を使ってくれていたのだとしても、少なくと半分くらいは自分の非ではないと考えても良さそうだ。
 もっとも、たとえ上司が問題上司であったとしても、経営陣がそういう事にまったく関心をもっていないので、いつまで経っても事態が改善される見込みは無い。
 せめて部署ごとに収支が独立に計算されるようになっていれば自分の部署がいかに不採算部門であるかがはっきりするのだけど、あいにく今は会社のメイン部門と一緒の会計になっているので、自分のいる部署の大赤字は明るみに出ない。さらに、メイン部門から業務の一部を委託されたりもするため、「メイン部署の利益の一部に貢献している」という言い分が成り立ってしまい、ますます赤字が目立たなくなってしまう。
 必ずしも部署ごとの独立採算が良いとも思わないが、赤字が目立たないのをいいことに稚拙すぎるマネジメントが野放しになっているのはとても困る。