3年は新卒扱いに

http://www.asahi.com/national/update/0329/TKY201003290001.html

 大学生の就職のあり方について議論している日本学術会議の分科会は、新卒でなければ正社員になりにくい現状に「卒業後、最低3年間は(企業の)門戸が開かれるべきだ」とする報告書案をまとめた。

 思わず笑ってしまった。「べきだ」で済むなら苦労は無いわいな。

対症療法で問題は解決しない - Joe's Labo

企業の新卒至上主義に対し「卒業後3年間は新卒扱いにしてね」という提言である。
(中略)
構造上の課題にメスを入れずにスローガンを掲げたところで、何も変わりはしない。
現在だって、年齢や性別で採用の可否を決めることは禁じられているが、それは厳然として存在するではないか。

 まったくその通り。むしろ既卒者の負担が大きくなる。

既卒者は茶番劇に付き合わされるかも

 この提言が実現すると、本心では新卒以外採用する気のない企業でも卒業後3年以内の既卒者を門前払いすることができなくなる。そうなれば、不採用の理由を作るために形だけの試験や面接を受けさせられる既卒者が多数出てくることが予想される。
 つまり既卒者は、落ちることがあらかじめ決まっている試験や面接を受けるために、時間と交通費を無駄にさせられる可能性がある。

とある企業の説明会で

 実際、自分にはこれと似た経験がある。
 約10年前の氷河期にうかつにも卒業してしまった自分は、ある企業の説明会に既卒として参加した。新卒向けの説明会だったので事前に既卒でも参加できるかを電話で確認した上で申し込んだはずだった。
 にもかかわらず、半日以上におよぶ説明会が終わった後の面談で「新卒以外はちょっと…」と、ものの見事に手の平を返されてしまった。
 話が食い違っていたのは、電話で話した人と説明会の担当者が別人だったせいかもしれないが、担当者が説明会の出席人数を稼ぎたくて意図的に黙っていたのかもしれない。
 当時はバブルがはじけた直後ということもあり、交通費等は自腹で参加していた(さほど高くついたわけではなかったが)ので、こちらにとっては時間と金の無駄以外の何物でもなかった。

 ちなみにこの説明会には、留年していた元同級生も一緒に参加していたが、彼女はそのまま無事その企業に就職することができたのだった。