色々あきらめた

 しばらく休みがちだった年配の社員が久しぶりに出社してきた。どうも身体だけでなく精神的にも調子を崩しているようで、話を聞くと自分とよく似た不満が原因らしい。
 なにせ現状では、何かモノを作っても会社の協力は全く期待できない。むしろ、色々と足を引っ張られる。開発者が他部署に動作検証を依頼してもろくに検査をしない*1で出荷されてしまうし、納品の担当者も製品をきちんと理解しないまま客先で操作をミスって不信感を与えて来る。しかもそれを全部ソフトのバグや回路の不具合ということにして来るので、設計者に修正を要求してくる。とにかく会社の中で開発者を支援するどころか、どんどん孤立させ、負担を全て押し付ける体質ができてしまっている。
 自分も社内でのあまりの仕打ちにひどく参った時期があった。別に意地悪されていたわけではないが、自分以外の誰も自社製品にコミットする意識が無いことに失望した。直接の上司に訴えたら、「だって(上司にとっては)他人事だもの」という返事が返ってきて言葉を失ってしまった。
 結局、ソフト開発やマニュアル作成はもちろん、電子回路の試験から動作検証に性能評価、さらに顧客対応まで全部自分一人でやるしか無いと腹を決めた。ただし決して前向きな気持ちでは無く、色々あきらめた結果なので、絶対に無理はしないけど。

*1:というか検査とか試験の意味が分かっていないのだと思う