大口研究予算のアンケート結果

大盛りどんぶり - どことなく技術屋な日々で書いた補正予算の使い道アンケートである『先端的研究を推進して実現してほしいこと』の集計結果がでたようだ。
集計結果(PDF)
 心配していたほどひどいものは無さそうだけど、良くも悪くも素朴というか「研究開発」のテーマとしては疑問符のつく意見が多いように思う。
 一般市民の意見だけに健康や安全といった生活に直結するものがほとんどだが、その多くは「研究開発」で解決するよりむしろ「政策」や「国家戦略」で改善した方がより手っ取り早いし効果的ではないかと思えてならない。
 例えば「バイオ技術による食料増産」という項目があるが、品種改良や耕作法の改良だけで食料自給率を上げるというのは無理がないだろうか。むしろ、農業の規制緩和(株式会社化など)などで、耕作放棄地の有効活用や、大規模化によるコスト削減で輸入品に対する競争力を高めるなどの手段の方が効果的ではないかと思う。
 他にも「地震による災害の防止」があるが、これも、地震予知技術や耐震建築法の開発の前に、地方分権も含めた首都機能の分散や災害時のサバイバル手段の啓蒙の方を優先した方が効果的ではないかと思う。
 国からの研究予算は偏りが激しくて*1、赤貧にあえいでいる研究室がある一方で、予算を使い切れなくて一生懸命無駄遣いに励んでいる研究室もある。また、監査官が無知なのをいいことにプロジェクトと無関係な設備投資などに予算が使われることも少なくない。
 今回は1件あたりの額が30億から150億と大きいので、せめて予算を獲得したプロジェクトが正しくマネジメントされているかは詳らかにしてもらいたいところ。

*1:前例主義のせいか、一度予算を獲ると成果はどうあれ次回も獲りやすくなるのだとか。