初恋新卒リミテッド

内定取消し300件以上 - どことなく技術屋な日々では否定的に書いたけど、会社の状況によっては内定を取り消すしかない場合はあるだろうと思う。
理解に苦しむのは、目先の採用を極端に減らすという無計画さだ。数年後には反動で就職市場が売り手優位になって採用人数が足りなくなることが容易に予想できそうなものなのだから、少々無理をしても計画的に社員を採用しておくのが人事部の仕事ではないだろうか。
なんにせよ、前回の就職氷河期時代を知る身としては今回の採用収縮も「どうせ今回も過剰に採用をしぼって、2、3年したらまた慌てるんでしょ」と、ひねくれた視点で見てしまう。第二の就職氷河期が来るかどうかは分からないが、今回もどこもかしこも足並み揃えて採用を減らすようなら、きっとまたおなじことが繰り返されるのだろう。

実際には内定取り消しになった学生さんの多くが再度就職活動をやりなおし、そうするとおそらく2010年4月の入社で仕事を探すということになるのだと思う。今年の就職戦線は昨年よりは大変で苦労も多いと思う。でもまあ「一度は内定をもらえた」のだから、自信もってもう一度頑張ってほしいよね。

リダイレクトの警告

8年ほど前に採用市場の新卒崇拝を実際に体験した者として一言。(ただし以下は個人の体験に基づく主観的な意見に過ぎないので、「そういうこともあるのか」程度のに考えてくださいな)

今回内定を取り消された場合、次の1年の過ごし方を軽く考えてはいけない。
よく言われることだが、日本の企業は履歴書の空白期間を極端に嫌う。内定の無いままうっかり卒業してしまうと、次の就職活動では既卒とみなされ一般的な新卒の募集に応募できなくなる。かと言って中途採用枠に応募しようとしても今度は職歴や経験などが要求されるため、学校を出て1年そこそこでしかも正社員としての就業経験の無い人はこれまた採用条件で跳ねられてしまう。
かつての就職氷河期に新卒で就職しそこねた人達の多くが、年齢とともに就職が困難になり今も低収入の非正規雇用で苦労している。
二の轍を踏まないためには、なんとしても次の4月までにどこかの会社に正社員として入社する必要がある。もしそれが無理なら卒業しないでわざと留年するという選択肢もある。留年は就職活動の際に少しはマイナスに働くかもしれないが、下手に卒業して既卒扱いになるよりは書類上は有利になると思う。(ただし来年以降の就職戦線がさらに冷え込む危険性はある。)

…なんか説教くさくなってしまった。