談合の後

いろいろ考えさせられた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080327/151329/?P=1

問 建設業界はゼネコン、1次下請け、2次下請けと重層下請け構造です。

答 そうや。ただこの10年、専門工事会社も職人を雇用しきれんようになって、どんどん一人親方として独立させた。職人を独立させれば、保険を払わなくて済むからや。こんなんいいこととは全く思うてないよ。

問 単価下落に対応していく中で、重層下請け構造がより多層になっていったわけですね。ただ、建設会社や専門工事会社が多すぎるという声もあります。

答 「建設業界は重層下請け構造だからコストが高くなる」と言う人もいるが、私から言わせれば逆。やりとうて重層下請けになったんと違うて、単価が下がる中で重層構造になったわけや。

 はっきり言って、ゼネコンが出す単価が安いのなら職人も行かなければええ。それでも、仕事ないやん。行かなしゃあない。やっぱり職人というのは、仕事をもらったからにはええ仕事しようとするよ。それはもう一生懸命よ。強い者はそれを利用しておる。わしが言っているのは、専門工事会社じゃなくて実際に働いている職人の話や。

問 「安値受注は品質に影響を与える」という懸念も出始めています。

答 もっと品質が悪くなってくると思うよ。職人の腕がぐんと落ちている。教育してないもん。親方も教育に回すカネがない。それで、私がゼネコンに言うやん。「職人の育成にゼネコンも力を入れてくれませんか」って。そしたら、「落ちてもいい。誰にでも作れるようにしているから」と。こんな言い方あるか。

大阪には安くてうまい物はたくさんあるけど、安うていい物はない。勘違いしたらアカンで。安うてうまい物はある。味でごまかせるからな。でも、体にいいか悪いかは別や。

その代わり、ええもんを安く買うことはできる。それは、いい買い物。できたもんを値切ればいいんや。造る前に値切ったらあかんぞ。食べ物はうまくないとその場で分かるけど、建築物は結果が出るまでに時間がかかる。いずれ、品質の問題は出てくるで。