無能な政府への怒りが原動力

ヒトの生殖細胞を使わず、皮膚の細胞から幹細胞を作り出した山中教授のグループの研究は大きく取り上げられています(ノーベル賞もん?)が、教授にインタビューしたTimes記者氏のブログに非常に興味深い内容がありやした。

なんと、教授の研究の原動力は日本政府の無能さに対する怒りなんだそうです。

京大の山中伸弥教授かっこよす - おこじょの日記

(元記事)http://timesonline.typepad.com/urban_dirt/2007/11/is-the-syntheti.html

というか、幹細胞に限らずあらゆる科学研究分野において、研究者よりも官や政の都合が優先されるのが日本流

個別でいろいろ訴える研究者もいないわけではありませんが、所詮トウロウの斧。科学者にとってこうやって大きな成果を上げた時の「海外メディアの取材」だけが唯一の効果的アピールといってもいいくらいです。

2007-11-21

他国にお願いして叱ってもらうか嘲笑してもらうのが一番効果的ってのは、日本の政府がシモジモをナメきっているからか、自発的に反省するほどの能力が無いからか。

まあ政府に限らず大学や企業でも、そもそも組織というものに自浄作用を期待するのは無理がある。内部告発も最近では増えてきたが*1、依然として心情的な抵抗は大きいだろうから、やはり外圧を誘導するのが一番上手い方法かも。

*1:日本では「whistleblower」ではなくて「裏切り者」と取られるんだろうな、やっぱり。