学生が減ると交付金が減る

会場のある方が「大学院生・博士を減らしてはどうか」という至極もっともな提案をなされたのですが、学術振興会の方は「そうすると、大学の先生が被害を被ることになりますが、それに耐える覚悟はおありですか」というようなことをおっしゃっていました。つまり、大学院生を減らすということは、大学の先生の数を減らし、大学に配分される交付金が減るということを意味するということですが、まさにここにポスドク問題の元凶が見て取れた気がします。
動物学会初日 「ポスドク問題を考える」 : 5号館を出て

なるほどお役人はいまだにそういう考えか。まさに元凶、人も金も減らしたら大学院が先細りするだけ。

大学院博士課程へ進学して得られるものは社会的に認知されるものというよりは、個人レベルの満足感のための「教養」とあまり変わらないものということになるのかもしれません。そうした「教養」を得るためだけに、大学卒業後の20代半ばの貴重な5年間を費やすことに価値を見いだせる人はどのくらいいるものでしょうか。
動物学会初日 「ポスドク問題を考える」 : 5号館を出て

今の時点でなら結構いると思う。というのも学部の課程が非効率で学べることが少ないから。たとえ研究者を目指さなくても、学部の4年間だけでは学び足りないと感じる学生は大勢いるのではなかろうか。もちろん「大学院に行くことが人生をドブに捨てるに等しい」というほどリスキーになり、そのことが一般に知れ渡るようになれば、そういった学生の多くもあきらめるでしょう。