保険金不払いもITの問題

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20070516/124956/

先日、元保険会社支店長の叔父からも、保険金の未払いは全てが保険会社の悪意というわけではなく、支払いシステムの不備に原因あるという話を聞いた。

近年の保険は、基本の保険に加えて「特約」が付いていることが普通なのだが特約の内容は頻繁に変更されるため、システムの更新が追いつかないのだそうだ。保険は何年にも渡って継続するものなので、途中で保険の適用条件などが何度も変化する場合がある。このような状況では、正確な保険金額を算出するのは保険会社の社員にとっても簡単なことではなく、見落としや勘違いが頻発する。
保険金の計算にはもちろん情報システムが利用されているのだが、保険の内容が頻繁に変更される現状には十分な対応ができているとは言いがたく、結局は保険会社の社員に依存する部分が大きい。
保険金不払いのかなりの部分はこのような事情で発生しているらしい。

正確に支払いを算出できない状況で商売をする保険会社に責任があるのはもちろんだが、現在のIT産業が保険会社の要求に応えきれていない点も無視できない。
ソフトウェア産業の歪みが交通、医療、金融などの様々な分野で社会問題を起こす危険性があることはずっと前から指摘されている。
保険金未払いの問題にもITの問題が影響しているということだが、マスコミはそういうことは報道せずに保険会社のモラルを批判しているだけに思える。