科学オリンピック

科学オリンピック:クローズアップ現代
概ね同意。だが、はたして本当に収入の少なさが理由なのだろうか?
優秀で要領の良い学生は大学には残らない。彼らは早い段階で大学に見切りをつけている。ただし、私の周りの例では、収入の少なさより封建的な人事や研究環境の劣悪さが大きな理由であったように思える。つまり、教授の人間性に問題があるとか研究予算が無くてろくな研究が出来ないといった大学の実情に嫌気がさしたということだ。
そもそも大学教員の収入は言うほど少ないのだろうか?
以前、大学で講師をしていた人から、国立大学の教授の年収が1千万程度と聞いたことがある。これが本当だとしたら騒ぐほど少ないとは思えないのだが。

 そもそも、日本ではもともと科学などは「道楽」のひとつくらいにしかとらえられない風潮があり、私が大学にはいった頃もまさにそうで、高度成長期だったこともあって、優秀な人材は医者になるか、大学院などへも進学せずにさっさと銀行や巨大企業の経営部門へと就職していったものでした。

 おかげで、我々のような天才とは言えないけれども科学が大好きな人間が大学へ残ることができて、高収入を得ることはできませんでしたが、世の中からそれほど気にもされることなく研究や教育に打ち込めたものです。(それで、日本の科学の程度が低いのだ、とおっしゃるならばそうなのかも知れませんが、それは科学者だけの責任ではなく、国の政策の誤りもあったと言えるのではないでしょうか。)

世間の目が甘かったから、日本の科学者の人間性の程度が低いのかもしれない。約束を平気で破る、平気で大遅刻する、料金を踏み倒そうとする、数百万の装置をツケで買おうとする、研究も教育もまじめにしない(!)、学生を奴隷扱いする。これがまともな大人のすることだろうか?だがこういう行為になんの引け目も感じないセンセイは結構存在する。

大学に残ったらこういう人達に向こう10年以上も振り回されることになるのだから、まともな感覚なら躊躇するのが当然だろう。
しかも、今では「天才とは言えないけれども科学が大好きな人間」は大学へ残ることもできずにパートタイマーとして働くしかない。


http://www.mumumu.org/~viking/blog-wp/?p=955

お隣韓国や中国では、国家的戦略として研究者に高待遇と恵まれた研究環境を与えて、国際的競争力をつけさせようとする試みが既に大きく進展しています(’State Key’とか)。中にはクローンES胚細胞捏造のような失敗もあったものの、両国に視察に行ってきたうちのボスの報告などを聞く限りでは確実に実力をつけつつあるようです。優秀な人材を呼び込めない日本の科学界が、中国・韓国に追い抜かれるのは時間の問題でしょう。

え?日本国民の総意としてそれでいい? それなら仕方ないですね。お雇い外国人が必要だった頃に退行するしかないということで。自国で科学研究も教育もできない「科学後進国」呼ばわりされる屈辱にまみれてみるのも、面白いんじゃないでしょうかね。

国や地方自治体の財政と同じように、破綻寸前までは誰も真剣に取り組まないのが日本のお国柄なのだろうか。そういう意味では、中国・韓国・ベトナム・インドにさっさと追い抜いてもらうほうが良いのかもしれない。
ただし、現在の国民の科学技術に対する関心の低さからすると、科学技術で負けても慌てる人は少ないだろうから、GDPで追い抜いてもらう必要がありそうだ。