なんだか熱っぽいので、早く帰ろうとか考えていたら社長に呼び出された。どうやら部下にさせていた仕事が気に入らなかったらしい。前には彼のことは任せるから好きにしろと言っていたのに、今になって不満になってきたようだ。これまで彼にはプログラミングと回路の技術を習得してもらうつもりで面倒をみてきたのだが、たしかにあまりインパクトのある仕事はさせてあげられなかったかもしれない。
社長の[現在の]思惑は、とにかく早急に彼に納品作業ができるようになってもらいたいと言うことらしい。やれやれ、そういうことなら最初から他の誰かに預けるべきだろうに。教えろと言われても、そもそも私自身がその装置の納品の経験が無いのだから。しかしまあそういうことなら仕方が無い、組み立ての人に、彼を一緒に作業させてもらえるように頼むことにしよう。
そうこうしてるうちに、私が担当している社内の開発品の話に移った。前にも書いたが、去年の夏の組織改編で、開発メンバーの大半が別の部署に移動させられた。それまでも他社の半分の人員で開発してきたが、その異動で中心人物を別プロジェクトに回してしまったのだからまともに仕事が進むはずがない。彼らの新しい担当は大学との共同プロジェクトで、そちらに専念してもらうために、こちらからは出来るだけ用事を頼まないようにしていた。当人達はそれ以降も協力してくれたが、あまりおおっぴらに助けてもらうと彼らに迷惑がかかるので、できるだけ私と部下だけでやってきたつもりだ。
そんな中、社長とその腰巾着は、装置のノイズをなんとか減らさなければまずい。責任者をはっきりさせないといけない。会社の危機だとか言い出した。
…頭に来た。

責任者があいまいだと言うが、いつもいつも責任の所在をあいまいにしているのは彼ら自身である。なんでも自分が決めないと気がすまないので、誰かに仕事を任せることをしないくせに、何か問題が起こった時は、実行者に責任をかぶせて逃げようとするのは誰なのか?
むしろこちらこそ責任の所在を明らかにしてもらいたいと思っている。そうなって困るのはあなたやあなたの身内だとは思うが。

だいたい責任がどうとかいうのなら、自分が連絡を忘れていたせいで提携会社ともめた時に尻を巻くって逃げるのはやめてもらいたい。なぜ事情を露も知らない私が相手先の社長に弁解しなければならないのか?
今回のノイズの件に限らず、この会社がまともに物を作れない集団になりかけている原因が、自分達に都合の良い人事にあることがどうしてわからないのか?自分の身内やお気に入りの社員にポストを与えるために毎年無意味な部署を増やし、人をバラバラに振り分けてワークフローをズタズタにしているのだから効率が下がって当然だろう。いいかげん彼ら能力を冷静に計り直してはどうか。その裏側で誰よりも仕事をしている人物が理由もなく減給されているのは何故か。それを見た若手にやる気を持てるとお思いか。若手に掛ける言葉は「新しい会社で報いられるようにがんばれ」だけである。

この会社の老人幹部は、いつ何を言い出すのか分からないし、自分の言ったことに責任を持たない。自分の都合の良い解釈をして問題のある行動をする。で、後始末を若手に押しつける。これを老害と言わずに何と言うのか。
世間では団塊世代の定年延長とか再雇用とか言っている人がいるが、ろくでも無い老人はさっさといなくなってもらわないと迷惑この上ない。

頭にきて仕事になりそうにないのでさっさと帰ることにした。