雑感

結城さんの日記を読んで、高校生の頃に物理についていろいろ考えるのが好きだったことを思い出した。当時のお気に入りはエネルギー保存則で、いろいろな系でエネルギーを計算して遊んでいた。今でも憶えているのは、コンデンサと最速降下線の問題だ。
最速降下線というのは力学の問題で、坂の上からボールを転がして坂の下まで転がる時間を計り、一番早く転がり落ちる坂の形を求める問題だ。これをエネルギー保存則で解こうと悪戦苦闘していた。後で、この問題は変分法という手法を使って考えるのが常道であることを知ったのだが、(高校の先生も含めて)自分の周りの誰も変分法など知らなかった。本で勉強しようにも、実家の近くには大きな本屋は無いし、注文しようにもどんな本を買えばいいのかもわからなかった。(今はインターネットで参考書を簡単に探せる。)
そんなとき、たまたま奈良へ行ったときに、ちょっと大きめの本屋で見つけたのが「物理の中の数学」(田村二郎、東京図書)だった。この本でも変分法はわずかしか触れられていなかったが、受験勉強そっちのけで読みふけった。この本で勉強したことが大学入試に役立ったかどうかはわからないが、大学へのモチベーションはとても高められたと思う。今思い返しても高校生が大学の物理の雰囲気を感じられる良い本だと思う。既に絶版になっているようで残念。