『Scilabで学ぶシステム制御の基礎』

最終章のアドバンスト制御は詰め込み過ぎだったが、それまではそこそこわかりやすかった。特に古典制御と現代制御の関連についての説明は、これまでかじった本のうちでは一番わかりやすく感じた。ノートを取りながら通して読んでみて、古典制御と現代制御の大雑把なイメージはつかめた気がする。ちなみに誤植もそこそこあるが、この手の本では誤植があるのが普通*1なのであまり気にせず、むしろ間違い探しをするつもりで読めばいいと思う。
タイトルに『Scilabで学ぶ』とあるが、どちらかというと、数式を使った制御理論の解説が主体で、Scilabによるシミュレーションはグラフを描かせるためのオマケといった扱いになっている。おそらくそれを補う意味で続編『Scilab/Scicosで学ぶシミュレーションの基礎―自然・社会現象から、経済・金融、システム制御まで』が出版されたのだと思う。

Scilabで学ぶシステム制御の基礎
橋本 洋志
オーム社
売り上げランキング: 44509

*1:良いことではないけど